木材はなぜ伸びたり縮んだり反ったりするのでしょうか。
鉄やアルミニウムなどの金属は、温度によって伸び縮みします。
一方、木材は空気中の湿気によって伸び縮みするのです。
冬場の乾燥期には収縮し、梅雨などの時期には膨張します。
経験から、完全乾燥していても木材は繊維に垂直方向におよそ1~2%伸びます(幅100mm の板で1mm~2mmの伸び縮み)。繊維方向の伸び縮みはほとんどありません。
このような特性を持つ木材に365日ちゃんとドアとして機能してもらうために、ユダ木工では乾燥工程を徹底管理して、伸び縮みがほぼ影響しないレベルまで調整しています。
人工乾燥機では、高温多湿にした状態から少しずつ乾燥させます。
乾燥機内は85度の高温(専門的には中温)になります。 乾燥によって反りやネジレが出たものを除去・再加工し、 厳選した木材で製品を作ります。
高温の蒸気は、木に含まれるヤニ成分を外へ出すはたらきもあります。また、殺虫効果も高く、虫害による浸食を防げます。薬を使った防虫よりもずっと安心です。
玄関に取り付けられ直射日光にさらされると、時により表面温度は65℃にものぼります。したがって木材にこれ以上の温度を経験させてやらないと、これから経験する暑さに耐えられません。木材の中心まで届く85℃の熱は、木を鍛える役割もあるのです。
木材とのかかわりは、まるで子育てのようだと感じます。甘やかしてばかりでは、立派な木材になれません。時に厳しく鍛えることで立派な大人に成長することと似ています。そこには愛情が欠かせません。
木材は生きた素材で、様々な特性を持っています。私たちはその特性に寄り添い、千本千色な木に丁寧に向き合って、高品質な製品づくりにつとめております。
「葉っぱの世紀のはじまり」でした。