ちょこっとエコのコラム 5

前回に続き、木材乾燥のお話です。
木材人工乾燥とは乾燥機の中で木材を人工的に乾燥させることで、ユダ木工では蒸気乾燥式(中温)という方法を採用しています。
質の良い木材にするために、樹種の違いなどで様々に異なる木の特性に対し最適な乾燥スケジュールの工夫が必要です。

しかし、乾燥させるのに蒸気を使うとは一体どういうことでしょう。

この乾燥法では、はじめに蒸煮(蒸気を吹き付ける工程)を行います。
熱風だけを当てて乾燥させようとすると木材の外側だけが熱くなり、熱の届かない中心部と温度差ができてしまいます。そして外側ばかりが急激に乾燥することによって木に割れが入ってしまうのです。

木材の中心部から外側までを均質に乾燥させるために、均質に熱を伝える必要があります。そこで、水分を吸収する木材の性質を利用します。水蒸気が木材の奥深く中心部まで入り込み、木材全体が加熱されます(当社では85℃まで)。
この蒸煮を数時間行った後、温度と湿度を細かく管理して少しずつ何日もかけて乾燥させていくのです。


(空気が通るように、細い木を挟んで積みます。桟積(サンヅミ)といいます)

次回は蒸気を発生させる機械、ボイラーとエコについてお話します。
「葉っぱの世紀のはじまり」でした。