東京都世田谷区にお住いの田中さま(仮名)。
初めてお話したのは2014年の8月でした。今からちょうど5年前の夏のことです。
2009年に設置したユダ木工木製玄関ドアの、メンテナンスに関するご相談のお電話でした。
納品から5年間、毎年一度、夏休みにメンテナンスを続けていた田中さま。
着色オイルを塗り重ねるとだんだん色が濃くなっていくのですが、
色があまり濃くならないようにメンテナンスする方法が無いかと、
お問い合わせをいただきました。
※イメージ図
(左:着色オイルを何年も重ね塗りした状態 右:左と同じオイルが1回だけ塗られた状態)
この問題は、着色オイルの代わりに「クリアワックス」を塗布していただくことで解決されます。
(透明のオイルなので色ムラの心配もなく、いちばん簡単なメンテナンスです)
このときのご相談以降、毎年の夏休みにクリアワックスを塗布されているとのことでした。
あの木製ドアは今どうなっているだろう。
今年で10年、大切にメンテナンスされてきた木製ドアを見てみたいと思い、取材させていただくことにしました。
現在の木製玄関ドアの様子です。
とても綺麗に保たれていますが、10年目の風格が確かに感じられる木製ドアになっていました。
何年たっても歳月を感じさせないことを良しとする価値観は多く存在します。
一方で、まさしくここに滲む歳月にこそ、木製ドアの魅力があるのだと感じさせられます。
ユダ木工との出会いについても、お話をうかがいました。
注文住宅の設計打合せで、キッチンやお風呂、床、壁と仕様を決めていった田中さま。
玄関ドアを選ぶために案内されたのは、大手サッシメーカーのショールーム。
数えきれない玄関ドアが展示されており、電子キーなど最新の技術もありましたが、
納得がいくものと出会うことができませんでした。
「何かが違うなと思って、そこには本物の木のドアがなかったんです。
それで工務店さんに、木製ドアが見たいとお願いしてみました」
木製玄関ドアを普段扱っていなかった工務店さまは、かなり難色を示されたそう。
しかし奥さまも、家の顔である玄関ドアにはこだわりたいと、木製ドアを希望しました。
毎日のようにインターネットで探し、出会ったのがユダ木工。
取り寄せたカタログに、これだと思える木製玄関ドアを見つけました。
「多少、メンテナンスへの不安がありましたが、
玄関ドアだけだし『お父さんががんばる』と言って決めました。
窓とかも全部だったら、少し躊躇したかもしれませんが。
今でもよく覚えています。」
最後に見せていただいた一冊の本。
家づくりの際、この一冊を何度も読みかえしたそうです。
表紙を飾っているのは木製の玄関ドアでした。
これがまさに、当初思い描いた理想の玄関ドア。
ユダ木工の仕事によって実現のお手伝いができたことを光栄に思います。
このさき20年50年100年と年を経るごとに、さらに風格を増していくでしょう。
「キズも馴染んでくれるのが良いです。これらのひとつひとつ、すべてが思い出です」
使用木製ドア
ラスティック玄関ドアシリーズ
金物 5M-606Hセット