ご家庭でできる!木製玄関ドアのメンテナンス再塗装。拭き取りタイプ編

ご家庭でメンテナンスができる、自然塗装の木製ドア

今回は「拭き取り」タイプの玄関ドアの、ご家庭でできるメンテナンス再塗装、重ね塗り着色をご紹介します。(塗りつぶしタイプの重ね塗り着色はこちら

拭き取り塗装と塗りつぶし塗装の木製ドアの仕上げ

設置9年目の木製玄関ドア 再塗装前の状態

設置から9年目になる木製玄関ドア。住まい手さまにご協力いただき、実際にご愛用いただいている木製ドアのメンテナンスを撮影しました。

まず、木製ドアの状態をチェックしていきます。

雨がかり等による経年変化がわかる部分-木製玄関ドアの状態チェック

横からの雨がかりが少しある左下部を中心に、外部表面の経年変化がやや進んでいます。

木のツヤがある部分-木製玄関ドアの状態チェック

上部と比較するとよく分かります。上部は木のツヤがあります。

経年変化がわかる部分-木製玄関ドアの状態チェック

色あせと、部分的な色落ちがあります。こうした風合いが様になるのが、本物素材の良さでもあります。しかし重ね塗りによって自分の手でお手入れをしてあげられるのも、また良いところです。今回はこの上から「重ね塗り着色」をします。

※ メンテナンスで着色塗装を重ねていくほど、徐々に色が濃くなり、木目が不鮮明になります。着色が不要な場合は「基本のお手入れ・クリアワックス塗布」を行うと良いでしょう。

 

はじめに メンテナンスの目安(拭き取りタイプ編)

お手入れの目安表-木製玄関ドアのメンテナンス再塗装

※メンテナンス時は付属のメンテナンスガイドを必ずご確認ください。

 

1. 目の細かいサンドペーパーでごく軽く研磨し、表面を整えましょう

サンドペーパーで軽く研磨する-木製玄関ドアのメンテナンス再塗装

目の細かいサンドペーパー(400番を推奨)で、わずかに白い粉が出る程度、ごく軽く研磨します。
このとき、塗装を落とす必要はありません。
※ 目の粗いペーパーを使ったり、強く研磨して塗装を落とすと、色ムラのもとになります。

木目方向に沿ってペーパーを動かすのがコツです。

触って感触を確かめる-木製玄関ドアのメンテナンス再塗装

「ザラザラ」していた手触りが「サラサラ」に変わります。これでOKです。

木製ドアの再塗装 注意のポイント

 

2. 着色塗料を薄く伸ばし、すり込むように塗装します。

床の養生-木製玄関ドアのメンテナンス再塗装

ガラスや鍵、蝶番、壁、床などに塗料が付かないよう、養生します。

研磨で出た粉を落とす-木製玄関ドアのメンテナンス再塗装

先ほどの研磨で出た粉が、木製ドアに付着しています。
ハケや掃除機、柔らかい布などでよく落としてください。

ハケで薄く塗料を塗る-木製玄関ドアのメンテナンス再塗装

塗料の拭き取り-木製玄関ドアのメンテナンス再塗装

塗装方法とコツ

① ハケで少量の塗料を薄く伸ばし、
② 布ですり込むように塗り広げ、
③ しっかりと拭き取る

上記の手順を繰り返しながら、塗装を進めます。

全面に一度に塗料を塗ると、拭き取る前に塗料が乾いてきてしまいます。数回に分けて、または板ごとに進めていきましょう。

また、塗料が多すぎると垂れたり、色ムラのもとになります。少量で良く伸びますので、塗り過ぎに注意しましょう。(通常のペンキ塗りのイメージだと、塗料が多すぎます)

木製ドアの再塗装 注意のポイント

 

3. 仕上げと定期的なお手入れに「クリアワックス」

1~2週間後、塗装が十分に乾いた状態で、
仕上げのクリアワックスを塗布しましょう。

クリアワックス・・・ヒマワリ油ベースの、透明な自然塗料。木材の表面に浸透し、水気や紫外線から木製ドアを守ります。木の呼吸を妨げないやさしい塗料です。

クリアワックス塗布の解説(動画)はこちら。

こちらのコラム記事でも手順をご紹介しています。

 

重ね塗り着色(拭き取りタイプ)の手順を動画で観る

メンテナンスの様子を動画にしました。文字と写真だけでは分かりづらい部分があれば、ぜひ動画もお役立てください。

今回、撮影にご協力いただいた住まい手さまご夫婦はとても木がお好きな方で、今後のメンテナンスのためにと作業を見学してくださり、「こんなふうに、育てていくドアなのですね」とお言葉をいただきました。動画の冒頭に映っている柵も木製で、少し前に再塗装をされたとのことでした。

お手入れしながら、大切に永く使えるもの。年を重ねるほどに風合いを増し、暮らしに馴染み、愛着が深まるもの。そんな製品をつくりつづけていきたいと、ユダ木工は考えています。

木製ドアの再塗装前と再塗装後