巡る季節と華やぐ笑顔。素材を感じる、ビューティーサロン。

木製玄関ドアが迎える、四季に触れるお店

今回、取材に伺ったのは愛媛県のビューティーサロン“來椛”(らか)。「四季折々の花を楽しむように、次の季節にまた訪れたいお店」がコンセプトの、オシャレでぬくもりのあるテーマを持ったお店です。緑と板貼りのコントラストが印象的な外壁、ユダ木工の玄関ドアとそこから覗く白を基調とした可愛らしいお店の雰囲気がお客様を迎えます。

「好きな季節はありますか?」

名刺を交換させていただくときに、オーナーの片山様から、そんな言葉と共に何枚かの名刺を見せていただきました。
1枚は取材に訪れた季節に合った秋のさみしさを感じるようなシックな色のデザイン、もう1枚は椛(もみじ)の花を思わせる可愛らしいデザインの名刺。そして「まだまだあるんですよ」と並べられた名刺の全4色のロゴマークは、それぞれ日本の四季をモチーフにしており、“來椛”のホームページやお店の看板も季節に合わせて色を変える仕様になっているそうです。

私は画像中央の「春」デザインの名刺をいただきました。このページの最後に“來椛”のウェブサイトURLをご紹介しております。
ぜひ「今日はどんなデザインなんだろう」と予想しながらウェブサイトを開いてみてください。

好きと工夫が詰まった“來椛”の設計

“來椛”はプライベート・トータル・ビューティーサロン。
ヘアカット・カラー・パーマから、泥パックを使用したフェイシャルケア、ネイルまで…。プライベートな空間で誰かに気兼ねすることなく施術を受けることができます。片山様によると、お客様の平均滞在時間は3~4時間、完全予約制で1日に2名のお客様を丁寧にケアするそう。

「“來椛”には、自分の好きな落ち着いた緑色とずっと前から気になっていた雑貨を取り入れたかったんです」とお話しされる片山様、そのイメージを設計として形作ったのは宮田建築設計室の宮田様です。宮田様は「素材感」を大事にされているそうで、全体のナチュラルな設計の中にも片山様の想いをぎゅぎゅっと詰め込んだそう。

片山様のセンスと宮田様のデザイン力が光る“來椛”の素敵なポイントを3つご紹介します。

デザインも、性能も、どちらも実現する木製ドア

まずはユダ木工の木製玄関ドア。

片山様とユダ木工の木製ドアの出会いは、宮田様がユダ木工の木製ドアの施工事例をご紹介してくださったのがきっかけ。
「この青い木製ドアは、お店の緑色にピッタリ合う!」と一目惚れしていただいたそうです。

玄関ドアはお店に来て初めて触る物です。「素材感」を大事にされる設計の宮田様にとってもユダ木工の木製ドアは今回の建築のイメージに合致しており、設計の最初の段階で採用が決まりました。

性能について片山様・宮田様からこんなエピソードをお聞きしました。私たちが取材に訪れた2024年の中四国は幾度か記録的な大雨に襲われました。そんなある日の“來椛”では、市内中心部が冠水するほどの豪雨に見舞われていても、お客様とお店のドアを開けるまで激しい雨の音が全く聞こえなかったそう。「見た目だけ、質感だけ」の設計ではなく、気密や室温などの様々な要素を考慮して、居心地の良さを実現しています。

 

プライベートな空間に光の彩を

スタイリングチェアの前やお店に入ってすぐ右手の窓には、透明なフロートガラスではなく、人の目を遮りながらも外の光を室内に届ける「型の付いたガラス」が使用されています。特に入り口近くの内側のガラスは、木製の枠に6種類のデザインが組み合わされており、お店の中にバリエーション豊かな光が差し込みます。

外からの視線の遮蔽と採光は室内空間のデザインにとって、大きな問題の一つです。しかし“來椛”の店内は、明かりを優しく反射するマットな白い壁と木の質感、外から差し込むゆらぎのある光によって閉塞感を感じることはまったくありません。

 

笑顔が映える

下の写真は、“來椛”のカウンターでの一枚。店内を一際彩るのは片山様イチオシのペンダントライト(unicoの「neron」)です。その特徴的な形のランプシェードを通った光は、まるで水中から見ているように揺らぎます。アーチ状の壁に映るライトの光やカウンターの奥のタイルは可愛らしさとエキゾチックさを感じるコーディネートで、日本ではないどこか違う国、違う世界にいる気持ちになります。

お店について「来店されたお客様が“いちいちオシャレ”と言ってくれます」と冗談交じりに教えてくださった片山様。片山様には取材の中でも堅苦しくならず、終始明るく笑顔でご対応いただきました。

“來椛”の優しくて、明るい雰囲気の源泉はオーナーである片山様の人柄だと感じます。日々忙しく、なかなか自分のための時間がとれない時に、前に進むエネルギーを与えてくれるような、あたたかいお店です。

 

素敵なポイント番外編 家族を繋ぐキャットタワー

番外編としてご紹介するのは、住宅部分のリビングから旦那様の書斎までを繋ぐキャットウォークの様子です。新居に慣れて、キャットウォークを使うようになった猫のミルクちゃん。特等席から今日も愛媛の空を眺めています。

キャットウォークを設計するにあたり、宮田様は猫の運動能力についての本を読んで勉強されたそうです。体の構造がヒトとは全く違うペットも家族です。家族全員が居心地よく暮らすことのできる素敵な住まいを切り取った一枚だと感じたので番外編として紹介させていただきます。

 

PRIVATE TOTAL BEAUTY SALON

“來椛” RACA

〒790-0913 愛媛県松山市畑寺2丁目2-8

ウェブサイト:https://raca-salon.com

Instagram:https://www.instagram.com/raca_salon

 

一級建築士事務所 宮田建築設計室

ウェブサイト:https://www.mksekkei.com

住宅・店舗だけでなく、畜舎や福祉施設までトータル設計をされる宮田様。
特に取材の際にご案内いただいた「梅本の里・サテライト(愛称『いつもの』)」は「ごちゃまぜ福祉」を実践されており、一般の人も利用できる銭湯から食堂、誰でも通ることのできる歩行者専用の道などがある先進的な福祉施設です。
お邪魔させていただいた「梅本の里・サテライト」さんは、“無機質で潔癖な”印象はなく、外観から内装、トイレの表示やお風呂の壁面の絵まで、木や人のぬくもりに触れられるような、福祉施設“っぽく”ないほっこりとしたあたたかさを感じる施設です。
私はお昼ご飯に「いつものキッチン」にて美味しいハヤシライスをいただきました。

ウェブサイト「梅本の里・サテライト(いつもの)」紹介ページ:
https://www.mksekkei.com/umemotonosatoitsumono

社会福祉法人松山紅梅会 梅本の里「いつものキッチン&いつもの湯」紹介ページ:
https://umemotonosato.com/usual_bath_kitchen

 

使用玄関ドア

ヨーロピアン玄関ドアシリーズ

YH105-A1023 ダブブルー(OSBU色)

金物 5G-226